PLCラダーの覚え書き

PLCのラダーのあれこれ

セクション7:PLCのリモートデバッグ

        
遠隔地のPLCでトラブルが発生した時にリモートでデバッグする方法。
(PLCがネットワークに繋がっている等の特殊条件な無し)

1.遠隔地(海外)等で1ヶ月に一回又はそれ以下(3ヶ月に1回)の頻度で何らなの
	不具合が発生している場合。すぐに見に来いと言われてもほぼ同じ現象は発生しない。
	まさか同じ現象が発生するまで数ヶ月も客先に常駐するなんて出来ません。

	色々ヒヤリングするが、たいていの場合、何をして、どんな条件で問題が発生したか
	正確な情報は得られません。ただ一方的にPLCソフトが悪いと言われるばかり。

2.遠隔地のラダーをリモートでデバッグする方法。
	取りあえず現象が発生したときのログを取ってもらい送付してもらいます。
	ログとは不具合が発生したときのPLCの状況。

	具体的には
	GX Developerの場合:現在使用中のプロジェクトを開いて(PLCから読み出した物では無い)
	PLCに接続、【オンライン】→【PC読出し】で【全選択】をクリックして
	全て選択【実行】で読出し。
	次にファイルレジスタを読出し(通常の場合は標準RAMを選択すれば表示される)。
	全て読み出したら、適当に一意の名前を付けて保存。

	GX Worksの場合:現在使用中のプロジェクトを開いてPLCに接続、読出しで【全部選択】を
	クリック、デバイスメモリの詳細で入力X、出力Yも選択し【実行】で読出し、
	さらに(対象メモリ)で標準RAMを選択してファイルレジスタを読出しで読出して
	一意の名前を付けて保存。

	保存したプロジェクトデータを圧縮ファイルで送付してもらいます。

3.バックアップの解析方法。
	入手したバックアップを開いて、セクション6:デバッグ同様にしてシミュレーションを
	開始します。
	パソコン上でラダーが走り出したら、【オンライン】→【リモート操作】でPLCをSTOPします。
	念のためシミュレータダイアログの実行状態がSTOPになっているのを確認。STOPになっていない
	場合はチェックしてSTOPにする。
	その状態でPC書込でデバイスメモリとファイルレジスタを書込します。ファイルレジスタ
	書込完了でリモートRUNを実行するか聞かれるので、【いいえ】をクリックして終了します。

	この時点でラダーは現地でバックアップを取った時の状態(不具合が発生した時の状態???)
	になっているので、ラダー上で何が起こったのかデバッグ可能です。
	ただし一度RUNしてしまうと現地とはI/O状態等が違うので、最初からやり直しになります。

4.バックアップを取ってもらった状態で、必ず現地からは不具合が発生した時点でのバック
	アップだと言ってくるが、実際は不具合発生でなにやら見当違いな操作をした後、
	どうしようも無くなり、バックアップを取り、不具合を解析しろと言ってくる場合が多い。
	その時点で、不具合発生時の状態は再現出来なくなっており、解析しても分からない場合
	があります。

	他人の作ったラダーで無い限り、いざと言うときのため、PLCラダーの中にデバッグ用
	ログ記録回路を作成しておくと何かと便利です。

	ステップ動作回路のステップ用レジスタD1000が変化したらR10000から100
	記憶しておきます。R10000からの内容を確認すれば運転ステップの移行状態とどの
	ステップで停止したか解析できます。
	そのほかでもステップ動作を使用している場合はすべてログに記録しておけば
	それなりに状態を解析することが出来る。

	さらに、ライン装置で上下流取合いがあったり、他の自動機とやりとりがある場合

	としておき、他装置とのハンドシェークのログを録るのもおすすめです。
	往々にして停止しているのは自装置なので装置バグだといわれるが、他装置の
	ハンドシェーク信号が異常で停止している場合も有る。この場合は別途信号の
	ONした時刻も記録した方が便利な場合もある。